くすぐったい、遺伝子。
自分が常日頃、どれだけユルく生きているかがよくわかる。
いつも好きな時に好きなことばっかやってる私って、
社会人としては相当ダメダメだ。
ちょっと立て込んでくると、アタマからいっぱいグルグル出ちゃう。
頑張らないとね。
i-Radioココログにも書いたけど、服作りの真っ最中です。
作り始めると食事をするのもトイレに行く時間ももったいない。
作業に没頭していると、子供の頃に見ていた母と同じだと、ふと思う。
洋裁をする母の手元を見るのが大好きだったなぁ。
カタカタとリズミカルなミシンの針の動き、
生地を裁断するときの、ラシャばさみが机に当たって
ゴリゴリッていう…なんとも言えない音が本当に好きだった。
出来上がるのが楽しみで、わくわくした。
私が服を作り始めたのは実家を出てからで、作りたいものだけを
独学でやってきたけど、やっぱりベースは母だ。
教えてもらったというより、ごく自然に記憶から出てきたという感じ。
「角に来たら針を刺したまま向きを変えるんだよ。」
「ここでしっかりアイロンをかけると、キレイにできるでしょう?」
そんな基本的なこと。マチ針を刺す向きとか返し縫いとか。
自分がミシンに向かった時、傍らで見つめていた幼い頃の記憶から
ぽろぽろこぼれてきた。
母と買い物に行って「この服欲しいなぁ。」なんて言うと
すかさず服の裏をめくったりして隅々までチェックしてた。
買ってくれるんじゃなくて、作る気だ。
そんな姿を憮然とした表情で眺めていた私だったけど、
お店で可愛い服を見つけると、気付けば同じことをしてたりする。
血は争えないなぁ…なんていう、やや諦めに似た感情が湧いてくる。
でもそれが、ほんのりあったかくて、照れくさくて、くすぐったい。
そんな遺伝子を実感することは、なかなか悪くない。
chie.