丁寧に。
美味しいものは、心に余裕を与えてくれる。
少しでも時間が空けば、さて何を食べようかと考えるクセがついてしまって。。
そんな時はだいたいひとりです。気まぐれなので。
電車を使わずに、好きな道を歩く。
それだけでも出会えるものがある。
線路沿いの下り坂。
西へと陽は傾き、斑模様の雲の間から届く今日の最後の光が、
電柱や標識や線路の柵や、立て掛けられた自転車の長い長い影を作る。
キラキラしたオレンジ色の坂道を、おじいさんが赤ちゃんを抱きながら上って来る。
やっと首が据わるくらいの、小さな小さな赤ちゃん。お孫さんかしら。
優しく頬擦りをするおじいさんの顔は、愛おしさでもうクシャクシャ。
立ち止まって、込み上げる涙をすぅぅと引っ込めた。
生きることの美しさ、生きていくことの力強さ、生きてきたことの素晴らしさ。
誰のもとにもあるそんなことが、やっぱりとても素敵だ。
自分の時間を、与えられた仕事を、人との繋がりを、1度の食事を、大事にしよう。
そうしてきちんと、丁寧に生きようと思うのです。