わたげのぼうや。
お昼を食べに出掛けた帰りに出会った、たんぽぽ。
私はふと、『ドラえもん』のお話のひとつを思い出しました。
あまえんぼうの綿毛の坊やは、一斉に飛び立つ兄弟たちのように、
ママの元を離れることが出来ない。
寂しくて怖くて、ずっと一緒にいるとママを困らせるの。
仕方なくママは一晩、坊やとふたりで過ごし、静かに語り始める。
自分も最初、飛び立つのがとても怖かったこと。
見たことのない景色、感じたことのない気持ち、初めて出会ったもの。
電車の屋根から見上げた青空、ひとりぼっちの夜の星空。
そんな旅をしながら強くなって、やがてのび太くんの虫かごの中へ辿り着いたこと。
そして坊やは翌日、風に乗って旅立ってゆく。
ドラえもんの道具を通じて、たんぽぽの話を聞いたのび太くんは、
だらしない日々を送る自分自身を恥じ、少し、変わってゆくのです。
子供の頃の記憶なので、ちょっと違うかもしれないけど、そんなお話です。
漠然とした不安に包まれる、毎日。
どうしていいかわからなくなることばかり。
何をすればいいのか、何から始めればいいのか。
えいやっ!と飛び立つことは、とても勇気のいることです。
それは、大人になったって。
むしろ大人になってからの方が、色んなことが見えてしまう分、怖いのです。
綿毛の坊やに出会って、少し、泣きました。
情けないけど。
さ、今日はこれからEBONY EYESの収録です!
これはもう、私にとってビタミン剤のようなもの。
“音楽が元気をくれる”と、感じるひと時。
今日も楽しみだ!