26
11月
2009
曖昧なもの。
神社の前を通りかかったので鳥居の奥を覗くと、
ハラハラと舞い散る銀杏の葉が朝日を浴びてキラキラ光って、
うっとりするほどキレイだったよ。
夕暮れの空の、朱から藍へのグラデーションも素敵。
木々のシルエットが浮かび上がる、ホリゾント。
本当に美しいものは、ちゃんとココロに書き込む。
カメラを取り出す隙なんて、どこにもないのよ。
写真を撮るのは、大好き。
でもやたら撮らない方がいい時も、あるんだよね。
絶対に忘れたくない景色や、一緒にいる人の表情は、ほとんど撮らない。
写真の中の確固たる情報を前にすると、記憶や想像なんていうひどく曖昧なものは
いとも簡単にかき消されてしまうからね。
細部まで“思い出す”必要がなくなってしまうのよ。
そうなると感覚が鈍るでしょ?
大切な思い出ほど、そのとき感じた音や匂いや言葉が加わって、立体的になる。
写真には収まりきらないものを、目を閉じて描き足していくの。
そんな“曖昧なもの”を、愛してやまないと、思うのです。
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