心が動かない日。
少しの間、淡々とした日々が続くことがある。
一日を振り返っても、特に感想も湧いてこないような、いわゆる普通の日。
それだけでもじゅうぶん、生きてはいけるんだけど。
でも時々、ものすごく不安になる。
何も感じないってことは、何も生まれないってこと。
そんな時間こそ、あっという間に過ぎて、記憶にも残らない。
このまま一生を終えたらどうしようって、怖くて仕方なくなる。
空の色とか、雲のカタチとか、風の肌触りとかに、いちいちソワソワしてたいよ。
誰かの言葉の端や表情のひとつひとつなんかで、 心がジュクジュクするのがいい。
ちょっと疲れるけどその方が、歌を歌いたくなる。
写真を撮ったり言葉を探したりして、溜め込んだ気持ちを放ちたくなる。
日が沈む直前の空を見たら、淡く棚引いた雲が珊瑚色に染まっていくところだった。
スルスルスルっと、スイッチが入る。
泣きたいような、嬉しいような。恋心と、少し似てる。
あぁ、この感じ。気持ちいい。
心が動かないっていうのは、致命的だわ。