美しく生きる。
中央道を下っていくと、空はどんどん広くなる。
高く澄んで透き通った空と五線譜みたいな送電線の向こうに、
白く雪をかぶった富士山がくっきり浮かび上がってくる。
普段、目眩いがするほどの高いビルに囲まれた暮らしをしているので、
すぃぃーーーっと心が開放されていくのがわかる。
呼吸が深くなるような気分。
ふつふつと沸いてくる取り留めのない考えごとや心を覆っている靄が、
ぽわんぽわんと雲になって、空へ還っていく。
気がつくと、でこぼこしていた心をトンボでならしたみたいに、スッキリしてた。
八王子インターを降りると、銀杏並木は鮮やかに輝いてる。
陽の当たるところと影になるところの色づき具合が違って、とてもキレイ。
東京郊外は都心より気温が2,3度低くなることもあるので、紅葉も少しばかり早いのね。
色を変えていく木々は、蒼い空に本当によく映える。
光に当たって、風にさらされ、雨に打たれて、温かさや冷たさを知る。
花を咲かせ、実をつけ、色を変え、葉を落とし、また芽吹く。
そんな姿は、やっぱり美しい。
美しく生きるって、きっとそういうこと。