紫陽花の蕾。
少しずつ、咲いていますよ。
そうだ、こうやって順番に、咲いていくんだよね。
当たり前だけど、まぁるく咲いたイメージが強いと、忘れてしまう。
なんとなくパッとしなくて、特に良いこともなくて、溜め息ついて。
うまく噛み合ない歯車に、ガタゴトぎこちなく過ぎる日々。
そんな時に限って、ついうっかり指先に切り傷なんかを作っちゃってさ、
たいしたことない地味な痛みに、泣きたくなったりするんだ。
それが、日常。
紫陽花の蕾みたいに、まだ閉じたままの。
ひとつひとつ、地道に咲くのか、一斉に開くのかもわからないような。
凪いだ時間に身を置くと、永遠みたいな気がしてくる。
だから物足りなさに苛立ちを覚えて、やり甲斐や生き甲斐を探すんだ。
私にとっては、歌や写真だったりするわけだけど。
当たり前の日常は、跳び箱のロイター板みたいなもの。
あー今、伸び悩んでるな。って感じたらまず、つまらない毎日を大切にしてみよう。
自分の心が、真っ先に反応するものは何か、待ってみよう。
そうして過ぎる時間なら、ムダにはならない気がする。