20
8月
2013
月の尾。
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透き通った陽射しと刷毛で撫でたような巻雲が、秋の気配を運んで来た朝。
まるで海の家をパタパタと片付けているみたいに、店じまいをする夏。
まだまだ気温も高いし、足を止めるとドッと汗が吹き出るのに、
空気の肌触りは明らかに、昨日と違う。
夕暮れ。小さな橋の途中で足を止めると、川面に伸びる月の尾が。
輝いているのか、照らしているのか。
いや、やっぱり月が太陽に照らされているんだから…
広大な宇宙のことを考え始めると、気が遠くなって倒れそうになるね。
月は優しい。
ちゃんと最後まで、話を聞いてくれそうな安心感がある。
ただ黙って頷いてくれるような、背中に手をあててくれるような。
そんな優しさが、欲しいときがある。
だから私が、そうなれたらいいな。
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