『悲しみが乾くまで』
映画を観てきました。
ハル・ベリー、ベニチオ・デル・トロ主演の『悲しみが乾くまで』。
夫を失ったオードリーと、夫の親友で麻薬中毒のジェリーが
男女としてではなく人として支え合い、立ち直るまでを描いたもの。
素敵よ、ハル・ベリー。見目麗しいこと・・・
夫を突然失い、憔悴しきった表情は“静”の美しさ。
悲しみを湛えた“瞳”の演技が、心に刺さりました。
夫の衣類を整理しながら、それを抱きしめて匂いや感触を確かめると、
やっぱり処分出来なくてまた元に戻してしまう。
「眠りたいの」と言って、夫がしてくれていたように、
ジェリーに耳を撫でながら添い寝してもらうシーンは、とてもリアルで胸がキリキリ痛くなった。
麻薬の禁断症状と戦う、デル・トロの迫真の演技もスゴイ。
愛する人はもうこの世にいない。
見つめ合うことも、触れ合うことも出来ない。
そんな現実を受け入れ、乗り越えていくまでに
どれほどの時を重ねればいいのだろう。
今の私には、気が遠くなるくらい時間がかかるように思えるけれど、
誰かがそばにいてくれたら、その時間は少し縮まるかもしれない。
人の体温の暖かさとありがたみを、この映画を観て感じました。
愛している人には、毎日ちゃんと‘愛している’と伝えたいよ。