12
9月
2011
過ぎた日のカタチ。
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日増しにコウベを垂れる、夏の花。
ふと目についた、もう使わなくなった携帯電話。
久しぶりに電源を入れてみる。
えっと、パスワードなんだったっけ。
つらつらとメールを読み返すと、少し前の、私の時間が流れていた。
色んなことをたくさん考えて、えいっと一言に託した想い。
こっそりこぼしてくれた、情けない弱音。
私を元気にしてくれた、ささやかな約束。
励まし合ったり、冗談を言い合った、他愛ない会話。
過ぎた日を、手のひらに乗せて撫でているような気持ち。
愛おしくて、そっと。いいこ、いいこ。
なんだか、カタチが見えてくる気がする。
ちょっとだけ、涙が出た。
どこにも行かないで。
私の記憶から、消えたりしませんように。
ずっと、ずっと。
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