心の泉。

目の前に在るものが、歪んで見える。
立っている自分の姿が、逆さまに見える。

目に映るニセモノもある。
光を通さないホンモノもある。
間違ったやり方で、正義を押し通すこともあれば、
真っ直ぐな想いで、罪を犯すこともあるだろう。
世の中には。

だから、心を澄ませて、聞こえる音を探す。
深い深い、底のほう。
他人の意見とか世間の常識なんて、届かないところ。
渾々と湧き出る、私だけの泉のようなもの。
手のひらでそっとすくうように、声を聞くのです。

そんな瞑想するような時間が、時々必要です。
小さな悩みや、漠然とした不安は、たいていスッキリです。

なんて、パンを焼きながら考えてました。
母に持って行く、ぶどうパンです。
私のパンを、これほど喜んでくれる人はいないのです。